A Note

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Welcome to the party, United States.

Live updates: Second coronavirus case of unknown origin confirmed in California, indicating virus is spreading in the state
「カリフォルニアで、感染元を辿れない武漢コロナウイルスの患者2人目が見つかった」
https://www.washingtonpost.com/world/2020/02/28/coronavirus-live-updates/



アメリカでも市中感染が始まった。起きるかどうか、ではなく、確実に起きるがいつになるか、という時間の問題に過ぎなかったのでまったく驚きがない。このウイルスでヒトからヒト感染が始まったらそいつをバケツに戻すということは単に不可能なので、あとはアメリカでもこれから順調に感染者が増えていくということ。アジアやヨーロッパで上がっている花火だと思ってなんとなく眺めていたら、自分の庭でいきなり玉が爆発したアメリカの社会ではこれから恐怖が広がるし、局所的にはパニックが発生するだろう。

マスクや除菌用アルコールはすでにアメリカのどこにもない。ハワイ、ホノルルのウォルマートでトイレットペーパーのパニック買いが始まっている映像を見た。トイレットペーパーがなくなったらいったい何で尻を拭けばいいのか、まさか手で拭くというのも… こんなふうに心配するのはどこの人間も変わらない。

ただ、アメリカがどれだけ強力な封じ込め政策を取るかに応じて、少なくとも感染者増加のスピードを緩めることはできる。そしてそれが本当に重要だ。なぜなら各国がこのウイルスへ対処していく上で一番恐ろしい事態は、その国の医療資源がすべて使い尽くされて患者の受け入れ余力がなくなること。そうなれば病院へ行っても診てもらえない、もちろん入院などできない状態になる。病院としては感染者に来てもらっても人も人工呼吸器もECMOも足りないから一切の対応ができないので、そのへんに転がしておくしかない。感染者としても、病院の側の道端に転がっているくらいならまだ家で寝ていたほうがいくらかマシ、絶望しながら家に帰る。家で寝ているうちに肺炎が悪化して当然たくさんの人が死ぬ。これが感染の震源地である武漢で起こったこと。感染者数が爆発して医療資源が使い尽くされる、病床が足りなくなるとはこういうこと。まあ端的に言って地獄のような状況。

ほとんどの日本人はまだこれがこの国で起きうる現実の可能性だということに気づいてない。その事態をまったく想像できていない。医療従事者はもちろん気づいてるし、悲惨な状況を覚悟すべきだと分かってる。

日本政府が必死になって「軽症者は自宅療養」と言っているのは、今から国民をその最悪の状況へ慣らしておく必要があるから。「日本もそのうち武漢になります」とは言わない。政府を盲信する善良な日本人たちがパニックを起こすから。本当の軽症者だけが自宅療養を強いられるならそれでいいわけだけど、おれは時間の問題で、人工呼吸器やECMOでしか救命できない重症患者まで受け入れ余力がなくなると見てる。これはどう考えてもそうならざるを得ないから仕方がない。日本人はそのうち気づくでしょう。

民主制を取る西側の世界では、中国において見てきたよりも武漢コロナウイルスがずっと醜い事態を引き起こすと考えられる。なぜなら中国共産党が行ったような一つの都市を丸ごと完全に封鎖するという極端で、最も効果的なウイルスの封じ込め手法は、こちらの社会では絶対に取ることができないから。いつもどおり満員電車で通勤することを止めなかったり、そんなふうに封じ込めの程度が足りないと感染者の激増が起きる、やがてキャパシティの限られた医療システムは圧倒される、医療現場は非常に困難な決定を下さざるを得ない状況に追い込まれる。

感染者5人のうち3人しか救えないとして誰を選択するか? 例えば80代の人間を救って、20代の人間を見捨てる決断は倫理的に許容されるのだろうか? 80代の人間を助けたところで、その人に期待できる余命は20代の患者と比べて圧倒的に短い。そこへ医療資源を振り向けることは果たして正しい判断なのか?




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昨日の夜に北海道で武漢コロナウイルスについての緊急事態宣言が出され、道知事の名前で週末の外出を控えることが要請された。例えば北広島の三井アウトレットモールとか、普段は中国人観光客と日本人とですごい混雑だけど、今日明日行けばどちらもほとんど消え去っているはずでゆっくり買い物できるんじゃないかな。

昨日の夜から札幌でも、スーパーでトイレットペーパーの在庫が薄くなっている。店の売り場から普段使っているシングル巻きのロールが払底していた。仕方ないので富豪のようにダブル巻きのそれを1パック買った。「供給量は足りております。品薄になるというのはデマです」 このアナウンス自体はまったく正しいもの。

しかし売り場へ行くと本当にトイレットペーパーが売っていない。これは政府や製紙業界の団体が嘘をついているわけではない。みんながウイルスへの恐怖で恒常的なパニック状態に陥っているため、品薄の噂が流れた品目を普段より多めに買うからそれで本当にその商品がなくなるのだ。デマというのは最初は本当にただの嘘なのだが、それが既に社会へ広まった人々の不安や恐怖という下地を得ると自己実現してしまう。