A Note

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日本政府が一切の入国制限をしておらず、また中国と日本とを結ぶ航空便はいつにもまして素晴らしく快調に飛び続けているため、日本にコロナウイルスが輸入されるのはほとんど確実なことで、単に時間の問題と言えた。だから武漢からの旅行客を乗せた奈良のバス運転手やバスガイドに感染が確認されたことは何の驚きでもなく、むしろ当たり前のことだ。

誰かがコロナウイルスに感染してから、そのウイルスが体内で増殖し発熱や咳などの明確な症状を現すまでには2日から14日までの潜伏期間があるとされている。だからすでに確定された感染者に対してこれまで物理的に近い距離で接触した人は、感染していないかどうかを見極めるためしばらく経過を観察しなければならない。武漢から帰国した日本人の中にも、当初は無症状だったが中国を発ちしばらく時間の経った帰国後の検査で感染が確認されるケースが出ている。そしてその無症状の期間においても、感染者は他人を感染させる能力があると言われている。つまり体調が良好で普通の健康体に見える人が実は感染者で、その人から感染するという可能性がある。


ところで、上の記事には一箇所だけ不可解な記述がある。


「関係者によると、同市に滞在していた日本人210人が帰国したが、武漢の空港で発熱などの症状があった2人が搭乗できなかった。」


邦人保護のため救出に行ったはずの飛行機に、すでに症状の出ている日本人2人がなぜか乗らなかったと書いてある。考えられる理由。狭い機内でさらに感染を広げる可能性が高い2人だと判断され、後回しにされたかとも思った。ただこれはよく考えるとおかしいのだ。マスクからゴーグルからすべての予防策を飛行機に積んで飛んでいるはずなのだから、それを着せて搭乗してもらえばいいこと。それに助けにいったその当人を置き去りにすることが無情だ。

だからこうも考えた。2人は搭乗の時点ですでに症状が重症化しており、チャーター機で赴いた医療スタッフの限られたリソースでは安全に帰国させることが難しいと判断した。そのため飛行機への搭乗はあきらめ、当面は現地中国の病院における治療を目指すことにした。