A Note

^_^

突然のキスや熱いまなざしで
恋のプログラムを狂わせないでね
出逢いと別れ上手に打ち込んで
時間がくれば終わる
Don't hurry!


愛に傷ついたあの日からずっと
昼と夜が逆の暮らしを続けて
はやりのDiscoで踊り明かすうちに
おぼえた魔術なのよ
I'm sorry!


わたしのことを決して 本気で愛さないで
恋なんてただのゲーム 楽しめばそれでいいの
閉ざした心を飾る 派手なドレスも靴も
孤独な友達

There’s a good chance that the association is directly from the popularization of Nujabes’ music. The Japanese producer and DJ forged a fusion style that sampled hip hop and jazz to create a “mellow, nostalgic and atmospheric sound” over the course of a tragically brief but accomplished career.

「Jazzの音源にアクセスしながらゆっくりした温かいHipHopというものをNujabesが発明して、それが強く支持されるようになった。Nujabesとアニメとの間に直接の関係はないけど日本の代表的な文化として受容されているものにアニメがあるということでなんとなくくっつくようになったのだろう」


Nujabesは死んじゃったけど残した楽曲の影響は多大で、日本でなく海外で熱狂的に受容されてスタイルのフォロワーが多数生まれたし、そこにシーンも発生した。Web上における彼のプレゼンスを考えると日本での売れてなさ、知られてなさはほとんど意外なほどだ。もちろん日本でも有名な名前だが海外での圧倒的な人気に比べたら無名も同然、ということだ。そのくらい海外に出たら30代以下の若い世代はみんなNujabesは知ってる。

上一個目の2016年3月11日にPostされて累計660万Hitを数えるこの動画、なにかと思えば竹内まりや「Plastic Love」のHouse Mixなんだよ。原曲からBPMいじって速めてある。これ誰がやり始めたのかどのあたりから生起した動きなのかわからないけど、要するに日本人がバブルで狂ってた80年代に世に出た主に女性VocalのJPopが数年前から海の向こうで発見されて、同年代の懐かしい風なアニメのループと合わせて投稿されるようになってる。Hit数が数百万を超える動画がいくつもあってこれはニッチな流行は軽く超えた数と言える。これも広く言ってNujabesが準備した流れの上にあるはず。

曲自体はただのHouseになった竹内まりやなんだけど、ここではきっとアクセス数の99%が日本人じゃない、という現象のほうに面白さがある。歌詞なんて分からないだろう竹内まりやブルガリアの17歳がどんな気分で聞いてるのかな。たぶん全く違う文化圏の曲でも年代を遡るとき懐かしさ、ノスタルジアを感じるはず。古い曲には国を超えて郷愁を惹起する独特の質があってそれは母語や育った社会背景を問わず誰にも感じられる、Universalなものだと考える。

この1985年発表の「Plastic Love」という曲はそもそもその曲名自体がまさにあぶく銭と虚飾とに満ちた80年代という一時期への内省であって、今聞くと時代性が濃厚に匂うものだ。不要な感傷を排した一夜の恋、フロア限り一瞬の恋愛という上に引用した歌詞も典型的なそれ、しかし「愛に傷ついたあの日からずっと」という一節により、世界に真剣さを拒絶された個人の悲しみが背景にあるという古典的な物語が暗示される。この演歌のような歌詞構造も、戦後と地続きだった80年代を思わせて楽しい。