A Note

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変態糞親父とは


今ごろ発見したぜ。素晴らしいとしか言いようがない。一貫して糞を交えた中年男たちの性的な戯れを描写しながら不思議と清涼なこの読後感は何か。元気のない時、気分の落ちた時に読みたい文章だと思った。性の世界も奥が深い。僕自身は糞便そのものへのフェティシズムは分からないし、あまり分かるようになりたくもないけど、死ぬまでにいろいろ試してみるべきだろう。それもまた認識の世界を探求するやり方の一つだからだ。つまり性的な快楽や身体性を軽蔑しないこと。その過程で糞まみれになるかはともかくとして。

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幸せ家族計画、って変な名前の番組があったかな。あれはfamily planningという言葉から、産児制限を含めた子作りの方針を表すという、原義が脱落した時代の産物だった。コンドームも万能じゃないから、もし重い副作用さえないならピルの服用は望ましいね、とかそういう話だ。

上の看板は、アナルでやれば子供は生まれないから確かな避妊の方法だって意味に読める、真面目な案内板のつもりが笑えるよって冗談だけど。「use rear entrance(後ろからどうぞ)」 婚前交渉をしないアメリキリスト教右派が、膣はだめでもアナルはいいよって方針だとしたら、裏口からお邪魔するほうが罪深く感じるけどなと思って苦笑しそう。なんかそんな話があった。再生産に関与する分だけvaginaは神聖なんだ。

あとSEX関連の話で言うと最近知ったのがTruvadaってエイズの予防薬なんだけど、これはとても有効な、大きな光とよべる水準の達成みたいだ。アメリカではもうFDAの認可のもとで処方が始まっている。特にsexually activeなゲイにとっては福音になりうるもので、それをめぐる政治や薬価の高さなど諸事情あっても新薬開発におけるブレイクスルーと呼べる成果のようだ。ただこれはおそらく和製英語でdrug lagというけど、日本の厚労省のおおらかで遅い審査体制のもとで画期的な新薬を処方されないという事情が事実だとしたら、日本でそれを必要としている人が保険適用のもとTruvadaを服用するのがいつになるのか分からない。

僕は今まで生きてきて自分の裏口から入られたことはないけど、それが好きな人のためにも迅速な認可をここで少しやる気なくお願いしておく。エイズは今や慢性病という位置づけにはなった。それでも陽性の結果は様々な意味で生活そのものの難易度を上げるに違いないし、最初から感染しないのにこしたことはない。let's think about rear entrance, people.


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Abandoning the Work I Hated


NYTで今朝読んだエッセイ。タイトルが「クソ嫌いだった仕事を辞めて」となってるけど、それは弁護士という職業を指している。書き手はかつて30代の前半にしてカリフォルニアで自分の事務所を構え、大きな収入を得る有能な人間だった。友人の誰もが彼のことを羨んだ。しかしLaw School時代から数えて10年、本当は憎んでいる仕事をずっと続けてくるうちに体がごまかせなくなった。まず肩、次に腰、膝が悪くなり、首も、そしてヘルニアで2回の手術。若干33歳にして買い物袋さえ持てない体になった。抱えていた案件を精算して、メキシコに飛んだ。そこで2年。いい加減退屈して、金もなくなった。アメリカに帰ってきた。鬱病をわずらいながら、人生において自分が次に何をすべきなのか探した。その後に引かれた出来事がいくつかあるが、最終的に彼が選択した仕事はClown=ピエロだった。誰かに必要とされているという得難い感覚を得られる仕事だと書く。今はあちこちのステージに呼ばれてギターを抱えながら、面白い歌を歌う人。37歳からそれをやり始めて20年経った…。

興味深い、勇気ある選択だと思った。誰にでもできることじゃないが、明らかに正しいやり方だ。社会的なステータスや高収入、華麗な見栄えを維持するためだけに、朝目を覚ますのも呪わしくなるような仕事にしがみつく人がいるとしたら、それはあまり幸せな生き方に聞こえない。精神的、肉体的に、人間の耐久性は無限じゃない。過大なストレスをかけ続ければ、やがて壊れるだろう。どんな仕事をするのだとしても、自分の魂だけはきちんとケアしなければ。仕事のために私生活を犠牲にしたり、最悪の場合は死んだりする、それは日本人の世界に誇る得意技だが、悲しいだけだ。人間は働き過ぎで死ぬべきじゃない。