A Note

^_^



ホロコースト下の強制収容所において、囚人だったあるユダヤ人が房に刻んだものとされるこのquoteについては僕もいつからか知っている。「もし神などというものがいるのであれば、そいつが私の許しを請わなければならないだろう」 強い印象を受けたために忘れなかったのだろう。また忘れようもない。この言葉はそれほど強力なものであって、様々な考えを喚起する。この言い方が革命的なのは言うまでもなく、ここでは人が神の過失を難じているからだ。人と神との関係性というものを根本的に問い返す言葉だからだ。

鰯の頭から道端の草木まで様々な箇所に無数の神が宿る国ここ日本では歴史的に言ってカミの概念がとても安い。一方西欧世界に育った一神教において神というのはどこまでも絶対的な存在であり、人間たちの下劣さからは完全に切り離された崇高さのうちにある。神は全知全能でありまたその行いは常にあらかじめ善である。人が神を疑うなどということはそもそも最初から選択肢のうちに入らない。なぜなら神の前で人は限りなく小さく、そのような権利など持たない卑小な存在だからだ。

このquoteはしかしそのような神に対する人の絶対的な服従を笑い、ホロコーストという、それを表そうとするいかなる言葉も無力にされてしまうような、完璧な暗黒を地上にもたらした神の責任を逆に人間が問うものである。この世界に対する見方に根本的な転回を迫る切実にしてどこまでも絶望的な言葉であって、ここを手がかりにしてもっと深く限界まで考えなければならないだろう。またこの言葉はもちろん、ヨブ記においてヨブが嘆いた底なしの呪詛へと繋がる。

僕が今までに読んだありとあらゆる物語の中でおそらくヨブ記ほど深い影響を与えられたものは他にない。僕はいかなる意味でも神を信じていないし信仰を持たないが、ヨブ記という物語は「人はなぜ苦しむのか」という、この世に生まれた以上は一人の例外もなく誰もが必ず、孤独のうちに直面しなければならない問いに取り組んでいる。

          • -


Nelly兄貴だてめー。ロールス・ロイスの後部座席から女を品定めするぞこのやろー。アメリカでラッパーとして売れるには歌唱力やflowのレベルよりまず先に大胸筋の量が必要みたいだ笑 「女をお姫様抱っこでベッドまで連れていけないようなやつは男のうちに入らない」というようなとても強力なマッチョ主義がアメリカでは支配的で、それが男たちを縛っているという印象を僕は持っている。日本の男って昔から体を鍛えないから脱がしてみるとモヤシみたいな人も多いでしょう? その点アメリカ人は正反対で馬鹿みたいにジムに通って筋肉という名前のアクセサリーを身につけようとする。これはどちらが優れているとか良いとかいうことではなくてその違いが興味深いのであって、アメリカ人をあそこまで筋肉の獲得に駆り立てる歴史的また文化的な動機の考察についてはきっと真面目に取り組む価値があると思う。

          • -


そのうち僕もこの車を転がして女の子を迎えに行けるような身分になりたいとこですわ。でかいポジションを持って大きな金を動かすトレーダーでもない限り、普通のサラリーマンやってたらまず無理だね、会社を興して自分の商売を持つしかない。表参道でランボルギーニとか乗ってるのはもちろん言うまでもなく宝の持ち腐れなんだけど、あれは何よりもまず第一に顕示的な消費であって見せびらかすためだから、時速300kmで車の限界を試せなくても別にいいんだよね。高価でsexyな車に乗って街を流すことによって自尊心を満足させ、またその背景となる金銭的な余裕を匂わせるというのが目的。