A Note

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今日街を歩いていたら、その時ちょうど自分の前を行く、ひざ丈けのクリーム色のきれいなコートを着た女性が右肩に割と大ぶりな、おそらく黒のレザーでできたバッグをかけているのが目に留まった。サイズのある書類を折らずにそのまま運びたい場合に重宝しそうな、いわゆるエディターズバッグとも呼べそうなもの。

まず何よりも、僕は一貫して後方から目にしただけだったが、その女性のスタイルや歩き方、統一の取れた洗練された装いが純粋に快くて、少しの間見とれてしまったのだが、その少し後で、彼女のあの右肩のバッグについたエンブレムが、どこのブランドのものなのかわからないことに気がついた。

その後空いた時間に手元の端末でGoogleに尋ねてしばらく探した結果、上にリンクしたブランドだと分かった。ブランドのデザイナーにしてきっと経営者でもあるこのTory Burchという女性は、wikipediaで見る限り、口に銀のスプーンを10本くらいはくわえて産まれてきた人のようだ。父親は裕福な成功した投資家で、母親は女優だという。

社会的に成功した家庭で育った子供がまた社会的に成功するということは、階級の再生産という概念の明らかに一つの実例だ。また金銭的に恵まれ、文化的に恵まれた環境で育つ子供は、定量的に計測することの難しい「センス」としかいいようのない、漠然とした、しかし確かな資産をも受け継ぐことがあり、そしてこれは特にアートやデザインという特殊なキャリアを選択する上で、大きな利点になると思われる。

待ち行く見知らぬ、エレガントな女性の使っていたバッグのブランドが判明した今、安心して眠れそう。

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松たか子妊娠「最大の稼ぎ時に大きな損失」と関係者肩落とす


まー、決して芸能界だけでなく日本社会に非常に普遍的な醜悪さを如実に示す、最低の記事だなという感想です。言うまでもなく、人は金儲けのためのマシンではないし、そして新たな生命の誕生を素直に祝福できない僕たち日本人が作り上げたこの社会は、何かが決定的に間違っている。仕事を人生の前に置く優先順位は違う。移民は入れない、子供は産ませない、僕は大まかに言って左翼だが、左としてこの国は好きだし、だからこそ日本の先行きが思いやられるわ。緩やかな凋落が既定路線でしょう。