A Note

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キューバ行きたいな。そのボディがゆったりとした丸みを帯びる60年代のアメ車に日本製のエンジンが載せられていまだに走り続けている国。その起源に革命を持つ国。ラムと葉巻の国。いい写真だ。

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 「たった今、パイロット4人の名前が入りました。サム・ティン・ウォン、……」


僕は知らなかったけど、サム・ティン・ウォン=Sum Ting Wongというのは中国人の話す訛った英語のアクセントを揶揄する言い方だそうだ。

言われてみると確かに、頭のなかで「あまり英語の上手じゃない中国人の話す英語」を再生してみると、something worngのことをsum ting wongと発音させてもそれほど違和感はない。ただまあレイシストジョークだから当然怒られるわ。

僕自身は誰かを笑いものにすることもある以上、自分あるいは自分の属する民族集団を笑いものにされたときでさえ可能な限り、もちろんその程度にもよるが、寛容に受け止めてプンプンしない努力をするしそれが最もクールなやりかただと思うけど。

基本的に腹を立てることが嫌いなんだよなぜならダサいし、時間と体力の無駄なんだよ。露骨にプンプンして怒りの粒子を周りに振りまくのが好きな人ってたまにいるけど、そういうとき心のなかで「短気は損気だよ愚かな人だ」なんて言いながらいなすよ。

怒りという感情は本人の肉体的あるいは精神的なキャパシティが底をついたときに発現しやすいものだがまさにそのことによって、もし仮に今そこで怒っている誰かがいるとすればその人は自分のそれら能力が短期的にであれ限界まで到達したということを知らせる。

…これはきちんと構造化されて理論付けられた高度な怒りとはまたもちろん別のことですよ。金がすべてである世界への怒りがマルクス資本論を書かせたとおもいますし、あるいはどう考えても正当性を欠く人種差別や社会的な不正に対する怒りがネルソン・マンデラを人生かけた闘争に向かわせたと思う。その種の崇高な怒りはこの救いがたいクソみたいな社会を少しずつ良くするためにたしかに寄与してきた。

僕が下らないとみなす怒りはここで言うのはもちろん、そういう歴史を変える原動力にさえなってきたような尊いものじゃない、もっと瑣末なものカスみたいなものです、たとえばマクドナルドで注文した通りのものが出て来なかったくらいのことで冷静さを失ってわめきちらすような、ヒトとサルとを繋ぐミッシングリンクみたいな愛すべき人たちについて言うことです。

それは言い換えれば状況における局面的な敗北の印いわば白旗の掲揚に他ならず、「怒ったら負け」という人類史上最も深遠な格言が告げ知らせようとする様々な教訓のうちの一つもまさにそれであるのです。くだらない事で怒るのは負けているわけです。

僕は自分が腹を立てない侮辱やジョークの範囲を出来る限り広く持ちたいと思っていて、もちろんその中にアジア人をネタにした人種差別ネタも含めたいと思っている。

keeping cool at any situation with playful manner という振る舞い方は僕の考える理想的な人間のかっこよさの中に含まれるがゆえです。

しかし最後に記事の一件に戻りますがsum ting wongという言い方には明らかにsomething wrongがあるのでpolitically incorrectなのでそれがこのようにpublicになった場合にこうして叱られるのはしょうがないですね。でも人種ネタもときには面白いものです。