A Note

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今日は丁寧語でいかにも紳士的な語りでいきたいと思います。これはいわゆる愛の吊り橋効果というものではないでしょうか。人間の感情というのはあいまいなもので、ユラユラの不安を恋のときめきと誤解します。僕が考えたのは、これを利用することができるだろうということです。つまり、恋人になりたいけどまだ恋人ではないただの知り合いといういわばどっちつかずのブラブラの関係を結んでいる誰か女性と二人で歩く機会を手にいれた男が、設計主義的にデートコースを作ることが可能である。そこで中途半端に知恵が回る男は危機の演出を試みます。例えば友人に頼んでガラの悪い男を演じさせてタイミングよく登場させて自分たち二人が歩いているところに目がけて絡ませたりしてもいいのかもしれません。つまりその悪漢が吊り橋となります。その上を歩く人を不安にさせるところの吊り橋の揺動が具現化し、人の形をとったものとして現れる。要は二人で歩いているとき、その二人へ多大な不安を与え、揺り動かすような要素がありさえすればよい。

その筋書きの上で男はシメシメと思いながら、怯える女性にとっての、勇敢なる庇護者の役割を演じるわけです。そしてそのような状況では、その男はどうしたって格好良く見えるに決まっている。なんて勇敢なの… こんなやつ本当はどうでもいいのにと思っていた女性の心を少しだけ揺り動かす可能性も出てくる。しかしやはりそのような演出は非難を免れない。つまりそのようなやり方は卑怯であると一般的には言われるわけであります。

たしかにその批判がありうると思う。そしてこう考えます。果たしてそういうことはやってもいいのか? この世界で生きていれば、ある行為をなすべきか、否か、その選択をあらゆる場面で迫られます。その都度判断していかなければならない。揺るぎない基準を自分の中に持っておいたほうがいい。僕はその判断の基準は、その行為が美的に美しいかどうかでしかないだろうと考えます。それをかっこいいか否かと言い換えてもいい。つまり、例えば道を聞いてくるおばあさんがいたとして、その人を無視したり邪険に扱うことが美しいかどうか、かっこいいかどうか? 僕は美しくないしかっこ良くないと考えます。だからきっとおばあさんに道を教えて差し上げると思います。実際のところ、僕は街で誰かに道を聞かれたときには丁寧に道を教えて差し上げることにしている。そしてそれは僕にとっては、人に優しくありたいとか、道徳的に正しい行いだからという理由では全くないわけです。ただそれが美的によい行為だと、かっこいい行為だと思えるからそうしている。

僕にとってはすべての行為を導くための原理はおそらく美的なものであって、倫理や道徳や正義や常識ではないと思う。説教臭い訓話やいかにもな良い話は最低のものだと思っているわけです。人に説教するようなやつは殴られても仕方ないと思っている。だからよくウンコとかクソとか言っていることも自分の中では美的に優れた行為として位置づけられているわけです。つまり世間的な腐った常識のヴェールを被せて本物の感情を覆い隠すことなどよりも、むしろ飾りのない率直さのほうが美的に優れているのではないか?

なんだかこの文章も論理的にはとても汚いような気がするけど推敲するのがめんどくさいのでそのまま、書いてしまったので投稿したい。もっと概念の塊をポンポンと等置したりすることで小気味よくかっこよく書きたいわけですがまだちょっと頭の中が十分に整理されておらず、上手に考えることもできておりませんで非常に残念です。やはり偉そうなことを言いながら自分で自分のことをいつも残念に思っております。

"プライベート・ライアン" を借りてきたので見たいわけです。あの映画は一度見たことがあります。オマハビーチへの壮絶な上陸作戦が映画の導入です。ロバート・キャパが従軍し、しかも奇跡的に生きて帰ったところの地獄です。スピルバーグは人体の不可逆的な損傷に到るまで克明に描いていた。僕はあのリアリズムを評価したい。足がもげたり、人間が粉々に吹き飛んでただの肉片になったりするのが戦争です。気が狂って泣き叫んでいるやつ、ママーと叫んでいるやつがそこら中にいるのが戦争だ。それを描かないなら映画を撮る必要がない。

最後に、もう最後まで来てしまいました、吊り橋効果を恣意的に利用する行為が美しいか否か、それについて自ら疑問を提起しておきながら、それについての判断を下すのをほったらかしであるのに気が付きました。うーん、どうでしょう! ちょっと勝手に考えてみてください! 今日はこんなところで。またつまらぬものを切ってしまったという後悔のようにまたロジカルでない文章を書いてしまったという後悔に襲われますが、ロジカルでない人は人でなしという戒めを常に自分自身に突きつけていきたい所存でもありますので今日のところはどうにもこうにも勘弁していただきますようお願い申し上げます。以上、今日は趣向を変え、丁寧語で書いてみました : - )