A Note

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Orishasというグループは初めて知った。3人組かもしれない。wikipediaを見ると、キューバ出身で現在の拠点はフランス、パリらしい。表現手段はいわゆるラップだ。言語はスペイン語であり、僕にとって未知の言葉だ。このビデオはMTV的なHip-Hopにありがちな、よく晴れた天国みたいなビーチにスタイルのいいTバックの女の子がたくさんいてラムもあるし、マリファナもあるし(?)とにかく最高、みたいな典型的なやつだ。僕はこういうバカな感じはかなり好きだ。人間はこんなふうにバカみたいに生きられるべきだと思う。キューバとかブラジルに生まれたかったなあ。日本人は辛気くさいんだよ。自殺ばかりしてるし。もっと人生をいい加減に考えたほうがいい。

ところで機械翻訳の精度を比べてみると、思ったとおり、スペイン語を日本語に訳すよりは、英語に訳したほうがよさそうだ。例えば英語に訳すとき、歌詞の上から3行目の "Chicas por doquier" を "Girls everywhere" と訳してくる。僕はスペイン語は分からないが、ビデオを見ればその訳が不自然でないと想像出来る。なぜなら実際にgirlsがeverywhereだからだ。ところが日本語に訳させると、その同じ箇所が "女の子どこ" になってしまうのだった。"女の子どこ" それではまるで冗談のように、意味が真逆になってしまう。いい女だらけのビーチパーティーみたいな楽しい感じを出したいビデオなのに "女の子どこ?" ではただのもてない悲しい男になってしまうのだった。日本語への機械翻訳は、その精度に改善の余地大いにあり。

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おお、我が愛する北海道、そして札幌。ここ何年かで中国、韓国、台湾の人たちが北海道に来てくれるようになった。今ではもう札幌の街中を歩いていて、中国語や韓国語を話す人たちとすれ違うことがまったく珍しくなくなった。これは劇的な変化だといえる。

何年か前の秋口、晴れた休日に、道庁の赤レンガ庁舎の前でうろうろしたり、立ち止まったり、ため息をついたり、ときには腰に手を当てて体を後ろに反らせ、腰の骨を鳴らしたりもしながら、一人でまったりしていた。札幌の街の中を散歩して、適当に通りの店を眺めたりもしながら、なんとなくそこへたどり着いたのだった。そのうち、視界の前の方にどちらも30代ほどの男女がいるのに気がついた。男性のほうがコンパクトなデジカメを持ってあたりを見回していたので、自分たちを同じフレームに収めて写真を取ってくれる第三者を探しているということはすぐに見て取れた。僕はそのとき機嫌が良かったのか、二人のほうへ歩み寄った。

シャッターを押し、話してみて、二人は台湾から来ていることがわかった。英語でどこから来たんですかと尋ねて、男性が台湾からと答えた。北海道はどうですかと聞いた。台湾にはここみたいに葉っぱの色がいろんなふうに変わる木がないんですよ、綺麗ですね。それを聞いて、ああそうか台湾は熱帯だもんなと僕は考えた。これから秋が深まっていく時期だった。葉の色も変わり始めていた。


"Have a nice trip."
"You too."


僕たちは分かれた。別に未練はなかった。当たり前のことだが。僕は背を向けて歩き出した。依然としてそこに街はあった。車が走っていた。僕は進んでいった。