A Note

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前から興味深いと思っている分野があって、それは飲料のマーケティングだ。なぜかというと、飲料は最も味の良いものではなくて最もcoolなものが売れる世界のようだからだ。もちろんその言い方はどんな業界にも当てはまるはずだが、飲料の世界ではとりわけそれが顕著なように思う。僕の目には飲み物の世界が、特別にうまいわけでもない商品をマーケティングの力のみで業界トップに押し上げることのできそうな、かなり詐欺的な市場に見えて、そしてその要素が自分の中の山師を刺激するのか、たまらない魅力を感じる。

具体的にはRed BullやAbsolut(Vodka)を念頭においている。Red Bullは炭酸飲料だしAbsolutは酒だが、どちらも競合するジュースやウォッカと比べて段違いにうまいから売れているのではない。味はどちらも標準的なジュース、そしてウォッカであり、だからそれらが競合他社の商品より売れており、また市場においてひときわ輝かしいブランドイメージを保持しているなら、その理由はほぼ完全に、マーケティングの成功によるものだろう。

極端な話をすると、例えば僕が自分の部屋の蛇口から汲んだ水をペットボトルに詰めて、楽天かどこかに店を出して売り出すとする。価格は2Lで300円だ。普通のミネラルウォーターと比べてもずいぶん高いが、誰が買うのだろうか? もちろんそのままでは誰も買わないと思う。しかしマーケティング次第でそれさえ売ることができるような気がする。Red BullやAbsolutを売るのも似たようなものだろう。普通の水道水に市場価値を持たせるようにして、普通のジュースや普通のウォッカに他の似た商品よりも高い価値を持たせたのだ。さて、あとは僕が家の蛇口から汲んだ水を2L300円で売る方法を思いつくだけだが…