リストラに怯えるJALスッチーの悲鳴
離婚してからも何人かとおつきあいしたが、つねに「少し待てば、もっと条件のいい人が現れるのでは」という気持ちで再婚に踏み切れなかった。でも今は、「相手を幸せにしてあげなければ」という気持ちが生まれている。「でも年収は最低1000万円はないと。私と両親くらい養ってやるという気概のある男性であれば、もう条件は問いません」
改めて考えてみると、彼女の言う "条件" というのはもちろん金以上の部分を指すわけだ。つまり年収1000万は当然のこととして、それに加えて相手の男の兼ね備えているべきものが条件となる。それが何なのかここで具体的に挙げられてはいないが、金より他に、人が人に求めるものはそれほど多くない。つまり顔の良し悪し、身長の高低、家柄、知性、表層的でないまともな会話、ユーモア、最低限のセックス、そういったことではないだろうか。
収入は申し分なかったし、話も面白かったが、チビでデブでハゲていたし、セックスも下手だった、だから結婚はさすがに無理だった。sex and the cityの劇中ではないのだから、誰もそんなことを率直に語りはしない。しかし人生の真実とはそういうものだ。そしておそらくここで彼女は思い切りを見せたのだ。つまり年収1000万程度稼いでおり、まあまあの心意気を見せれば、本当ならばあって欲しいその種のもろもろの "条件" には目をつぶってもいいということだ。
相手に要求する水準でその人の自信を推し量ることができる。つまり自分に見合うだけのものを人は相手に求めるということだ。だとすればこの女性は少なくとも年収1000万の価値を持つほど、賢くて綺麗な人だと考えられる。もちろん年収1億に見合う女性かもしれない。僕は彼女が良縁に恵まれることを願いたい。
