A Note

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しかし考えてみたらこんなクソみたいな世界に対して呪いと怒りの言葉以外吐く気になるだろうか。真面目に考えてみれば。何年か前に日本のWeb上で見たあるblogのことは忘れない。ゴム無しの生ですることのできる風俗店に勤務していたまだ若い女性が既にエイズの末期にさしかかり、全身を肉腫で醜くされ、遠くない時期に人生を終えるだろうと思われる最後の段階にあった、彼女はその自分の裸をあえて写真に撮らせWeb上に晒していたのだった。もう亡くなってしまったに違いない。彼女にどんな意図があったのかは分からないが、自分のようになるなという啓発的な意味があったかもしれない、分からないが、少なくとも僕にとって彼女の醜い裸体を見る経験は少なくない意味を持った。

しかしそのblogにつけられていた膨大なコメントが醜かった。"そんなところで働いていたんだから自分の責任だし、同情はしないね" とか "そんな売女は死んで当然だ" とかまあそんなのだ。もちろん人間そんなやつばかりじゃない。しかし目につくコメントがそんな血も涙もないものばかりだった。まったく、今そこで死んでいこうとする人間を前にしてなんたる言いぐさだ、こいつらは、何様のつもりだしたり顔で、お前たちのような人間はゴミに過ぎないのに偉そうにするんじゃない。僕はPCの前でぶち切れたが、しかし目の前にそいつらがいない以上は捕まえて殴ることも出来なかった。

結局のところ彼女の体は醜かったが、彼女が最もきれいだったのだ。逆にきれいな健康な体で安全な場所から、これから死んでいこうとする人間を罵っていた連中が、そのとき最も醜い人間だった。ああいうクズのような人間は本当に苦手だし、お前たちが死ねばいいと思った。僕はあのときこの人間たちの残酷さを忘れないようにしようと思った。これからもこの世界で生きていかなければならないのだ。人間の本性について見ておくべきだ。それに希望が一つもないわけではない。たまには心の優しい人間にも会えるだろう…

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Player Ratings: Sevilla 1-2 CSKA Moscow (Agg: 2-3)

Honda: 8 – What a player. At 23, there's a lot more to come from this lad. Created numerous chances, always looked comfortable and scored with a screamer of a free kick. Man of the match.

僕はこのゲームをLiveで見なかったが、上の評価者によればCSKA Moscowの本田が8点、文句なしのMan of the matchだそうだ。"本田にはやって欲しい" と書いたけど、モスクワでの初戦に引き続きまたしても本田はやっている。別に自分がプレーしたわけでもないくせにやたらと喜びすぎるのはどうかとも思うが、それでもやはり同じ国籍を持つ黄色人種の若い男がその才能だけをもって欧州で自分の力を認めさせていく様に、胸のすく感じを覚えてしまう。彼は前から自分でも公言している通り、別に冗談でもなんでもなくレアル・マドリードチェルシーインテルのような世界最高のクラブで将来自分がプレーする姿を明確にイメージしながらフットボールをしてきた選手だろう。この先彼がどこまで行けるか、それを眺めているだけで楽しめそうなほど高い水準にある日本人フットボーラーを一人持ち、リアルタイムで追っていくことが出来るのは幸運だ。話を変えて日本代表のことだが、"日本代表は本田のチーム" という認識を明確に全体で共有した上で彼らは6月の南アフリカへ向かうべきではないだろうか。"ベスト4を狙う" という極めて野心的な目標を、もし誰かが洒落や一時の蛮勇で口にしているのではないのだとしたら。