A Note

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今手元の、黒いものばかりで編まれたジョーク集をめくっていたところ、「人間は自分が食おうとしている相手と仲良くできる唯一の動物である」というものを見つけて、この反人間的な物言いを楽しめてしまう自分への一抹の懐疑を覚えながらも、やはり上手いなと感じて、唇の端へ皺を寄せてしまう。

確かにその通りなのだろう。自分を省みても直ちに明らかになることだけれども、この人間というのはかなり小賢しい動物のようで、ひたすらに人を食うためだけに、いつも策を弄したり、計算ばかりしているかのようだ。自分がいかに賢い切れ者であるのかというところを常に見せ付けようとしていて、その度が過ぎて、かえって関係を醜悪なものにしてしまったり、全然賢くないということを露呈してしまったりもするようだ。

バラが咲くときに別に精密な計算をしているわけではないと思うけれども、申し分なく美しく咲いている。しかし見目麗しい人の中で、そこに一切の計算のないという人は珍しい。犬や猫が懐いてくるときに別に策を弄しているわけではないと思うけれども、人が懐いてくるときには…。もう少し楽天的な人間観を持つべきだろうか? 悩ましいところだ。なぜなら悩ましい時期だからだが、生きる限り悩ましくない時期などあるだろうか。

"「自分が食おうとしている相手と仲良くできる唯一の動物」たる人間だなんて、嫌だけど、その通りで、なんて悩ましい動物なのかしらね。" 床に上品な横座りで、摘むようにして煙草をくゆらすこの人のためなら、別に変な意味ではなくて、何をしてあげてもいいな、なんて思えたものでしたが、それも今は昔。というか、そもそも、それが本当にあったことなのか、自分でも分からないくらいなのです。まるで煙の中へ蒸発してしまったように思えるのですし、もちろん嘘かもしれません。嘘か真か、夢か現か、虚か実か、それほどはっきりと線を引くことのできるものでもないのかもしれません。

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「…ええ、自業自得というものですけれども、あまり例外的な美貌を誇る男性の肖像ばかりを選んで紹介しているのは、女性には喜ばしいことではないかと期待されますが、こちらとしてはそれが続くと、どうもこの自分の顔などは良くて洗い立ての芋にしか見えなくなってくるものでして、困ってしまいますし、かなり気落ちしてしまいます。サルトルが言った通りで、この世間においてやはり顔の問題は過酷なのだなと痛感された次第ですが。

俗にブス・バカ・ビンボウの三重苦を"3B"と呼び習わしておりますけれども、もうこれしかないという言い方で、素晴らしい、と言いたい気持ちにさせますが、何が素晴らしいのかはどうでしょう、分かりませんが、しかし考えて見ると、世の多くの人々はそれほどの美貌には恵まれず、それほどの頭脳には恵まれず、それほどの財産には恵まれずに生まれてくるわけだと思うのですね。ですから多くの人が、程度の差こそあれ、3B問題の解決に力を注いでいくこととなるはずだとも思えるのですって。

そりゃあなたそうですって。こんなの"ケーキのひとかけらだぜ。パックン!"って、いくものですかね。


"ボクニハツーハムーハトローレルトクトヨロシク"


なんですか、分かりませんが、挨拶しているようですね。というか、誰でしょうね。名前はミスターロボット君ですが。

公園のベンチで手をつないで、他愛のないお喋りに時を過ごしているだけで胸の高鳴りを抑え切れないのは中学生ですが、そんな純真はさっさと消されてしまって大変でしょうね。こらえきれずに性欲の爆発の嵐の中へお互いを投げ出すということになってしまいまして、そこで恋愛の芽が摘まれるのだ、とニーチェリルケも嘆いていたようですが。



"言語"と"妄想"には密接な関わりがあるようなのですが。



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「星四つは、フォーシーズンがある所(札幌)だから」っていうのがあって、なるほどなと思いました。なんだか可愛らしいセンスだなとも思えて。確かにフォーシーズンは売りだし、素晴らしいです。温泉が近いし、ニセコも近いですね。中央で窮屈に暮らしている人たちを羨ましがらせることばかり書いてどんどん嫌がらせをしていきたいと思いましたが、これは内緒です。


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http://en.wikipedia.org/wiki/By_All_Means_Necessary


これを見て少し考えさえすれば、"By all means necessary."という言葉に従って自らの行動を導いた結果、彼がどれほど恐ろしい状況に落ち込まなければならなかったのかが分かる。つまり、"いかなる手段を用いてでも" というのは、当たり前のことだけれども、覚悟の決まった人間にしか口にすることの許されない言葉であり、腹を据えてかかる、という宣言で、もちろん、そこに命の危険さえ織り込まれていることだって、少なくはないでしょう。自分に敵対する人間からその顔面に味気のない白いパイを投げつけられるだけなら、せいぜい話の種が一つ増えたことを喜んで、酒の席での冗談にしてやればいいだけです。しかし投げつけられるそれが、運悪く、極めて高速の弾丸であった場合にはどうだろうか? そして上に提示したCDのジャケットに写りこんだ男性へと、話を繋げることができるはずです。


(と書いてから、実際にはMalcolm Xの言葉は、"By any means nesessary."であったそうで、サルトルの戯曲の英訳にもその言葉は見つけることができるとのこと。

追記: とここで失礼して、サルトルが先かマルコムが先かではサルトルが先だと下のリンクには明確にありますが、上の書きぶりでは偶然に同様の語句を二人が別々の場所で用いたという可能性が排除されませんので、誤解を招きかねませんでした。お詫びして、追って記しておきたいと思いました。

しかし、wikipediaというのはこんなに賢くて良いものだろうか。ともあれ便利です。)


http://en.wikipedia.org/wiki/By_any_means_necessary


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