A Note

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ECMO, ECMO, ECMO

武漢コロナに感染して一番下まで転がってくる、最重度の、生死の境にある患者をどれだけECMOで受け止めてこの生者の世界に留めて置けるかが日本におけるこのウイルスの治療成績を決める。

最重度の感染者が全国に300床あるというECMOのキャパシティを埋め尽くしてオーバーフローした時点から致死率は必ず急増する。

全国の300床でECMOが使えるからといって、その300すべてが空いているなどということはない。今まさに機械に繋がれている人たちが当然いるわけで、余っている機械しか使えない。

いくつ空いてるのかな、かなり低めに稼働率5割と見ても、日本全国で150しか使えるECMOはないことになる。

今の時点でもうその程度は必ず存在すると思うが、日本の感染者をとりあえず5000人としよう。その中の3%が、ECMOの適応を検討されるほど重篤化すると仮定する。要するに死ぬ一歩手前まで行く症例。

 

5000*0.03=150

 

日本で空いてて使えるECMOが150あるとすると、それでもう埋まってしまう。数が足りなくなるということは、それにあぶれた人は向こう側へ赴くという事態を意味するため全然好ましいことではない。これからどうなるかな。

イタリア。イタリアがヤバい。特に北部で感染爆発していて、しかも治療成績が他国に比べてかなり悪い。これはとても興味深いこと。なぜイタリアでは救えない感染者がこれだけ多いのか?

下2つ目記事ではイタリアでECMOの利用が全然広がっていないことが(つまり国にマシンの台数がとても少ないと考えていいだろう)大きな理由と書いているがこれはある程度頷ける推論。思いつく他の理由としてはイタリアの感染者は見えているよりもはるかに多い(これは絶対そう)、あとは特別に高齢者の感染が多い可能性(これはない)。またまさに武漢で起こったように、感染爆発が起きた地域の医療機関で担えるキャパシティをはるかに超えた感染者数へ対応することにスタッフも手間取り成績が悪化した可能性(これもない)。

今日19時現在でイタリアの確定感染者が3858人、うち死亡数が148人。死亡率としてはこの時点でもう3.84%。さらに状態Seriousに分類される患者が今351人控えている。これはSeriousの定義にもよるが予断を許さない状況と考えていい。

この中からさらに何割か死者が出ることは避けられない。中国から出てきた論文を読んで、ICUに入るまで状態の悪化した患者の3割から5割は亡くなると理解してる。状態SeriousをここではとりあえずICU管理下の感染者と解釈し、その351人のうちさらに4割が命を落とすと仮定すると、さらに140人が亡くなり死亡率は7%後半に届く。

エピデミック初期の武漢では人工呼吸器もECMOもマスクも何もかも欠乏して患者は廊下にあふれ死者は死体袋に入れてそのへんに転がされ、医療現場は地獄の様相を呈したし、当然ながら治療成績は非常に悪かった。致死率も高かった。

ただ武漢を出た中国の他の地域では致死率は約1%とはるかに低い。これは病院のシステムが圧倒されず病床の数、医師看護師の数、必要なリソースが十分に足りる状況を維持できたからだと考えられる。おそらく人工呼吸器もECMOも足りていた。だから人工呼吸器だけでは必ず死んでしまう最重度の患者でも次は最後の頼みであるECMOで受け止めて、なんとかこの世界に繋ぎ止めることができた。それが低い死亡率へ現れているのだと思う。

問題は今後の日本でどれだけ医療現場に、その最低限の余裕は確保された状態を維持できるかということ。日本に限らず、患者数の急増でその国の医療システムが圧倒された時点から治療成績も致死率も大幅に悪化し悲惨な事態が始まる。

 

 

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ECMO, mobile CT play big role in treating COVID-19 patients: official

武漢コロナとの戦いではECMOとモバイルCTが超重要」

http://www.xinhuanet.com/english/2020-03/04/c_138843056.htm

China has sent 67 ECMO machines to Hubei, said Luo Junjie, an official from the Ministry of Industry and Information Technology, adding that the ministry will import more ECMO machines for Hubei and Wuhan, the capital city of the province.

 

このXinhuaというプレスは中国国営の報道機関でだから中国共産党の広報紙。つまり完全には信頼できない。ただ上の記事なら事実に近いことは書いてあるだろう。「武漢を都に持つHubei=湖北省にECMOを67個送った、まだこれからさらに輸入もするよ」

日本も輸入したほうがいい。ECMOってどこで作ってる? でも武漢コロナの最重度肺炎で三途の川に片足踏み入れた人をこちら側に引き戻せる最後の手段はECMOだけなので、世界中でこれからECMO需要が爆発するに決まってるし、簡単に新たな台数を確保できるはずもないと推測できる。

 

 

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Northern Ireland, Scotland and Wales rank amongst the lowest countries in the developed world for the number of intensive care beds

https://sluggerotoole.com/2020/03/04/northern-ireland-scotland-and-wales-rank-amongst-the-lowest-countries-in-the-developed-world-for-the-number-of-intensive-care-beds/

 

The facilities available in intensive care units is also an important factor. The low mortality rates in mainland China outside Hubei province (around 1%) have been attributed to widespread use of extracorporeal membrane oxygenation (ECMO) when ventilation doesn’t work.

The mortality rate has been observed to be much higher (3.2%) in Italy where this treatment isn’t as widely available, even though the number of ICU beds per 100,000 people in Italy (12.5) is higher than the European average (11.5).

There are no ECMO facilities available in Northern Ireland, Scotland, or Wales. There are currently only 15 beds in all of the UK that offer this treatment across hospitals in London, Cambridge, Manchester and Leicester, although this can be increased in an emergency; there were 30 beds available at the peak of the 2018-19 winter flu season. ECMO is also provided at the Mater Hospital in Dublin; there are seven available beds in that IC

 

「イタリアのICUベッド数は10万人あたり12.5床、これはヨーロッパ平均の11.5床を上回る数字なのにイタリアの武漢コロナ致死率は3.84%、とても高い」

ICUがいくらあったところでECMOがないからイタリアは致死率高いんだ、という推測。

アイルランドスコットランドウェールズにはECMOがまったくない。UKイギリス全土でも15床があるだけ」

 

 

 

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ECMO装着で コロナ 重症 患者が 回復へ

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000178119.html