A Note

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記事本文はまともに読まずにSkimした(=目を走らせた、概要把握した)だけだけどGoogle News USでたまたま目についた記事。アメリテキサス州にいくつか医院を展開するリウマチの専門医が単に自分の金儲けのためだけに偽の診断や不必要な薬の投与で患者を騙していた。金の流れを不透明にする工作としていくつものShell company(=フロント、ダミー会社)を用いていたというのは金融犯罪に手を染める悪党としては初歩中の初歩で見慣れた構図。

An American doctor bankrolled his “lavish” lifestyle by performing unnecessary chemotherapy and prescribing costly medication to potentially, thousands of patients, according to the US Justice Department.


その種の詐欺で儲けた汚いお金でマセラティやプライベートジェットを購入し楽しんでいたZamora先生は治療を続けても一向に調子が良くならない患者がそれについて問いただすと切れ出して本人を病院から放り出したそうだ。絵に描いたようなクズだ。

Nora Rodriguez, a patient of Dr Zamora-Quezada, told CNN that he yelled and threw her out of his office after she questioned his treatment.“He kept getting upset when I was asking him why I was feeling worse and not getting better,” she said.


ドイツの田舎町にある病院について類似の面白い話を読んだよ。実はドイツというのは意外なことにEvidenceの欠如した代替医療が歴史的に広く受け入れられている国で、ホメオパシーみたいな詐欺的治療(あるいは純粋な詐欺と呼ぶべきかな)さえその従事者がある一定の権威を得ているということだ。その国で末期がんの患者に対する極めて高額なしかし科学的に見れば全然効かない効く証拠などない治療が売られていてその病院は奇跡を起こす場所としてちょっとしたプレゼンスを確立している。本人の遺伝子を解析した上で特別な治療をカスタムメイドするという建前をその病院では用意していてその治療に対して何千万円という高額をチャージするのだが少し素養のある人間が調べたらそれは明らかな嘘でありクソなのだ。

溺れる者は藁をも掴むというけど、死にかけた者が場合によっては焦燥と恐怖から正常な判断力を失って一切効果のないBullshitに大金を積む事例なんてありふれていると思う。その愚かさ自体はしかし人間の核に存在する弱さであり悲しさと同義なのだから、仕方ないとしてこの世界では受け入れるしかないのだ。この不完全な世界でそれでも生きていこうとするなら人は弱くまた悲しいという事実を受け入れることなしには単に不可能、そしてだからこそ互いに狼であるよりも優しくあるべきだ。

ただ問題はその弱さやまだ死にたくないという生存への純粋で原始的な欲望へ漬け込む営利主義の詐欺師、その手の連中は過去からずっと存在してきたしまたこれからも決して絶えることなく続いていくだろう、もし地獄というコンセプトを受け入れるとしたらそこへ彼・彼女らは特別な場所を用意されるべきだろう。