A Note

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フォトエッセイって書くとなんだかダサいんだけどさー、要はある程度クオリティの確保された任意の枚数の写真を主に、そしてそれに文章を従わせた詩画集みたいなのをやりたいんだよね。詩画集、という言葉のうちに意味されている要素の核は二つで、それはつまり 1.詩=物語 と 2.画=映像。だから広義のストーリーテリングだよね。もちろんそこに映像を使ってもいいし音声を使ってもいい。品質的な目標としては最低でも下手なプロなら余裕を持って超えられる水準で、ストーリーを語るということをやりたいのね。片手間に。

これからも生きる時間が続いていくそのときどきで、そうして自分のWeb上に残していく成果物は、過去を振り返るためのしおりのように機能することも期待できる。人が日記をつけるのは何のためか? それは他の誰でもない自分が、あとでそれを読んで楽しむためなのだ。もし僕が日々何かを書いたり撮ったり録音したものがやがて積み重なり、雲の上のどこか(=Cloud、クラウド)でひとつところへまとまり、そしていつでも簡単に手元の端末から参照できるのだとしたらそれはやがて、世界でこの自分にとってのみ無上の価値がある、素晴らしい財産になるだろう。

つまりある程度信頼のおけるクラウドサービスを選択してそこへ自分の情報を集積していく限り、デジタルデータで保存される人生の履歴が少しも色あせることなく、また散逸してしまうこともなく、完璧に残っていくという社会が誕生したのだ。もしかすると、そこへ至る過程で数知れない失敗や大恥をなんとか生き延びて人生の日暮れを迎えた80歳の僕が、それを眺めて過去を思い出し、二度と戻らない若さへの憧れや、これまで自分と関係してくれた恋人に対する感謝や後悔といった、寂しくも豊かな感情に満たされる可能性もある。その想像は年老いて容貌の衰えた自分をその中に含んでいながら、不思議と僕の気持ちを暖かくする。

SFが読みたくなってきたな。それも光速に迫る速度を実現した宇宙船や、恐竜人間が出てきたりするものではない。もっと近い未来、僕が死ぬまでに実現可能だろう技術的な進展が人の生活をいかに変えうるかを、精密な思考力で現実味を持って描写するタイプの作品。