A Note

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AKG Reference Studio Headphones K712PRO 【国内正規品】

AKG Reference Studio Headphones K712PRO 【国内正規品】


今新しくヘッドフォンを買おうと思ってんだよ。これ、いいやつなんだよ。そうだと思う

今聞いてる環境:…ってアンプの名前、ケーブルの名前、って細かく記すことがオーディオマニアの記号みたいなものだから少しためらうけどWindowsのPCにぶっ挿したサウンドカード(Xonar Essence STX)のヘッドフォン端子にAudio-technicaのM50xで聞いてるよ。オーディオに金を注ぎこむこと自体に楽しさがあるはずだけど僕はそれに興味が無いので合計3万円のこの組み合わせでそれ以上は必要ない。と思ってたけどこれに加えてAKGの超定番ヘッドフォン一個くらい持ってもいいんじゃないか? なぜなら、オーテクのATH M50xとAKGのK712 PROを1つずつ持っておくことは機材の好きな人間でなくても十分に正当化できると考えた。それなりに手頃な、というのは10万円もしない、という意味だけど、この2つのヘッドフォンはそのくらいには性格が違うし使い分けができる。マクノウチガメラの試聴機で手持ちのスマホを音源に少し聞いただけでもAKGの上位の機種は特にわかりやすい点では女性ヴォーカルの表現力が全く違った。これなんか聞くといいと思うよね:


Crystal Key - Eternal Memories - YouTube


これはCrystal Kayの全楽曲の中でも完成度の高い秀逸なものの一つだと僕は思うし好きなんだけど、女性の声がどう聞けるかチェックするためにいい参照先になってくれる。それはトラックがあくまでも後ろに控え主役の歌声を引き立たせる役割に徹しているから、単純に彼女の声だけを聞きやすい。いい仕事してる、クリ。クリちゃん。

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SO WHAT!? feat.仮谷せいら/Seira Kariya - YouTube


tofubeats / トーフビーツ -「POSITIVE feat. Dream Ami」 - YouTube

SAY WHAT!? Tofubeatsの名前は言い得て妙。なぜなら彼の音作りはたしかに、まるで味の濃いトウフやよく熟れたアボカドのよう。それ自体にすごく特徴的なクセや香りを持たないが、しかしそれなしでは味噌汁もサラダも成り立たない。彼の仕事はそれらの食材に通じる、味わい深い味のなさと柔軟な適応力によって、自らの配された椀の中に、ボウルの中にパーティーを開始すること。アンチョビーツやトウキビーツではなくて、トウフビーツというステージネームに落ち着いたことは、彼の人畜無害な好青年風、正しくシャイな日本人という見た目を考えてもよく似合う。

上の1曲目がいいね。個々の出音は現在の仕様へ更新されているものの、音楽としての形は、意識して聞いたこともフロアを経験したこともないのに不思議と懐かしいDiscoの空気そのもの。そこへ決して上手いとは言えない舌足らずな女性ヴォーカルを乗せるこの曲は、その計算されたやる気のなさ、脱力感に魅力がある。いつもAdeleやAmy Winehouseばかり聞いていられないよ。彼女らみたいな、重厚で濃い、技術的にも完璧な、文句なしの歌声、もちろん素晴らしい。だけど反面、その迫力にわずらわされることがある。換言すれば、聞くほど次第に面倒くさくなって耳が疲れる。毎日三食、最高の焼き肉ばかり食べられないものだ。ご飯に味噌汁と漬け物で、という気分のことがある。そんなとき、これ(ソーワソワソ フゥーフゥー)

ミラン・クンデラの「存在の耐えられない軽さ」の冒頭へ作者自身であるクンデラが顔を覗かせて展開する議論。詳しいことを忘れた。でも結局こういうことじゃなかったっけ、つまり重厚さや生真面目さのみが尊ばれがちな人の世に、一見不真面目にも思える軽みや洒脱さの価値を思い出させること。誰かを形容するときに「あの人は軽い」という言葉が賞賛として発せられることはかなり少ない。多くの場合その言い方は少なくとも軽い非難の響きを含んでいる。しかし僕は芯のある軽みを擁護したい。無批判な真面目さに抗してタコの六ちゃんみたいなクネクネスタイルで生きていく。Amazonで一度注文した商品をキャンセルしたら現金じゃなくてギフト券でお金が帰ってきた、その15000円を利用して今まで使ったことのない電動カミソリも試してみる。Tofubeatsの上の一曲目にはそんな期待に満ちた空気がある。