A Note

^_^

婚活と自分のスペック。


女は自分のことを厳しく見てるよな。それは女というのが常に見られる性、査定される側の性だということと無関係ではないと思う。社会の視線に晒され続けてそれを自然と内面化してる。それに比べたら男はバカで身の程を知らない。ただ秀逸な映画gone girlにも克明に描かれていたけど、その種の女の残酷なリアリズムや打算性にはついていけないところがある。

この書き手も、何かが根本的に間違っていると思わせる。僕が好きになれないのはこの言葉だ、人間を単に「スペック」でしか捉えられないのは、ほとんど笑うべき単純化と言えないか? 人は単に学歴や肩書や職歴といったペラペラの要素の、単なる総和である以上の、美しさと複雑さをもった悩ましい生き物ではないのか。

もし仮にこの書き手が嘲笑する「高卒のデブ」が実は初対面のとき金に関して嘘をついていて、後に成功した実業家で一年の実収入が3000万円を超えていたという事実が明らかになった場合、この人の態度や表情は露骨に変わるだろうというおそろしさがある。そしてそのような豹変を遂げる人物を一般的に言ってクズと呼ぶのは、何も理由のないことじゃない。

もちろん人である以上は誰もその卑しさを持ち合わせているけどね。それは自分も変わらない。上の文章には深いニヒリズムと諦念を感じる。この人は相当苦労して育ってきたのか、と思うような。