A Note

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twitterやFBが普及し、blogを書くことが普通になった世界で誰も他人の生活を垣間見るようになっている。どんなに素敵な人と食事に行ったか、可愛い猫を飼っているか、仕事で成功を収めたか… 華麗な事実が尽きることなく列挙され、止まることなく更新され続けるtimelineにみんな実は少しずつ脅威を感じている。

しかしそれらはあくまでも、その人たちの人生の最上の瞬間が集まったものであってその逆ではない。つまり気分がいいときや楽しいとき、人はそれを誰かに知らせたいと思って小さな端末をバッグやポケットから取り出し、その画面を親指で叩く。

逆の場合はそうでもない。つまり生きていれば日々味わうことになる情けない失敗や恥ずかしい負けについて、積極的に書こうとする人はあまりいない。少なくとも僕はそうだ。たとえば好きな女に振られたことを世界に公開しても、きっとさらに元気がなくなるだけだ。もっとも、どんなものでも慰めがほしいと思うほど傷の深いときはどうだかわからないが…

自分がもしある程度顔のきれいな女だったとしたら、selfieを撮ってblogに上げたりするかな。するかもしれない。あれは自己自身への信頼とナルシシズムを強化する仕組みとして働いている。

生活上の失敗で自信を失うようなとき、あるいは最悪だった一日の終わりに、自分を高く評価してくれる人に会いたいと思うことがあるものだ。そういうときもし自分に可愛い顔と綺麗な体があれば、見知らぬ誰かからweb上で賛辞を集めるのはそれほど難しいことじゃない。

僕はtwitterを使わないし、FBのアカウントはほぼ連絡用に維持しているだけだ。自らの生活の充実度を競う競争がもしそれらのsnsで展開されているとしたら参加している人は大変だと思う。snsで「疲れる」などという人がいるのはそれに「使われている」からだ。疲れるくらいなら使わないほうがいい。