A Note

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僕はまだ東京にいます。新宿の近くに滞在しているのでもちろん新宿、ちょっと行って原宿、もっと行って渋谷、さらに足を伸ばして恵比寿、このあたりは歩いていきました。最初電車や地下鉄の乗換えがわからなくて焦りました。東京Virginだったのでまるで、えっ、私そういうのじゃないから的な…面倒くさい自意識の処女みたいな乙女心でどこへ行くにも心もとなくそわそわしていましたし、どこから帰ってくるときも必ず道に迷いました。ようやく人の多さに、都心部の地理に慣れてきました…。

この間の話です。日も暮れたのち、原宿を一人でぶらぶら歩いていました。いつのまにかステータスの高いブランドの路面店がたくさん並ぶ通りに出ていました。Where am I? ふと路傍の看板を見上げると「表参道」と書いてあって、あっここがあのオモテサンドウ? 並木がきっと電球色のLEDなんだろうな、イルミネーションで飾られていてとても綺麗でしたが何せilluminatedな場所を一人で歩くほど心を暗くさす行為もないもので、僕はしだいに、どうもいたたまれない気持ちがしてきました。

なぜか? その心は? いえ、とても簡単に説明することができます。つまり、行きかう人波は完全に好き合う恋人たちのみから構成されているように見えました。もし例えば僕が手ひどい失恋を味わった直後にあの素晴らしい恋人たちの表参道を歩かされたとしたらどうでしょうか? その散歩はほとんど拷問と変わらないのではと想像するのは難しいことではありません。僕はおそらく3秒で泣き出し、ダッシュで即座に帰宅するでしょう。

ゴージャスな電飾で飾られたあの日の表参道には愛が満ちていたのだと思います。そしてこの雰囲気を無理なく楽しむためには、僕もおそらく誰か好きな人と一緒に来る必要があるのだと思いました。原宿のBEAMSに書いてありました。「恋をしましょう」 僕はあまり頭がよろしくないため、恋と愛ともうひとつ性愛との違いはよく分かりませんけれども、しかしそのBEAMSの提案には賛成です。きっと人間の情動から恋のときめきを剥奪すれば、人生からあらゆる色彩が脱落してしまうのではないでしょうか? みなさん?