A Note

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自分にないものを持ってる人に人間は興味を惹かれる。素直に尊敬したり、あるいは卑屈になってけなしたりするわけだ。街でじいちゃんばあちゃんを見かけるとこの人たちには少なくとも時間の経験だけはあるんだと考えてその点について僕は畏怖にも似た気持ちを持つことがある。その人達が聖人かろくでなしかは別として、歳をとっているというのはつまりたしかにその時間は生きてきたからだ。人間は年を取るほどに賢くなるという一般的な言い方を僕はあまり信じてない。人格者は15でも人格者だしばかはいくつになってもばかだと基本的には考えてる。しかし65年生きた人間が65年という時間の経験を持っていることは確かであり、そしてそれは自分がまだ獲得し得ていない経験であることもたしかだ。

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"おれは命がけで生きてえんだ、おいなんかないのかよクソ! 7股かけて女関係がメチャクチャになったり車で200km出してカーブを曲がりきれなくなったりしたいんだよ!!  いやそういうことじゃない仕事だよ! ああおれの人生はここにハマるために用意されてたんだという至上のフィット感を感じられる場所がどこなのか探している、一日2時間しか眠らなくても体が勝手に起きだしてやりたくなる何か、教えて下さいますか?"
"うるせーてめえで必死こいて探せよ!! 人間死ぬまでしか生きてないんだから気合入れていけよこの馬鹿!"
"はっ…… 僕、アフリカに行きます"
"勝手にしろ!! 人間を成長させてくれるのは痛みに満ちた経験だけだヨ!"