A Note

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この先何万年も人類が絶滅することなく栄えて、広義の宇宙物理学も進化し続けるとする。理論の面では、この先何万年でアインシュタイン級の天才が何十人か、何百人か生まれる。観測技術もどんどん洗練されていく。そのとき、最後には何らかの造物主の存在が明らかになりましたということにならないだろうか。そしてその場合には、あっち側から見ると、自分で生み出して放っておいた宇宙の中に偶然自分のことを認識可能な段階にまで文明を発達させた生命が生まれたぞということになるのだろうか。絶対にあり得ない話だとは言えないと思う。それが面白いところだ。そうなったら無神論者と信仰者が仲良くできるかもしれない。

ところでWikipediaで宇宙関連の項目を1時間くらいあちこちに飛びながら読んでいて僕が考えたのは、もし誰か宇宙物理学者のところに何らかの悪魔がやってきて "宇宙の真理を教えてやろう、ただしそれと引換にお前の命をもらうが" と誘惑したらどうだろうということだ。悪魔は全能だが究極の代償を要求する。だからもし本当に悪魔が来たら絶対に命を支払えと要求するのに決まっている。優しいのか意地悪なのか分からないようなやつなのだ。結構たくさんの科学者が喜んでその取引に応じて死ぬんじゃないだろうかと考えた。

悪魔の提案を受け入れた人はやはり相手が悪魔だけに、何か人智も及ばない悪魔的なやり方で、一瞬にしてこの宇宙の真理を知ることになるのだが(無理やりビジョンを提示すると、この宇宙の外側から宇宙を見せてくれるみたいな感じで)、しかしその次の瞬間には絶命しているということだ。もちろん知り得た究極の事実を誰に伝えることもできずに、まして論文を書く時間などないから歴史に名を刻むこともできずに。しかしこの宇宙の真理を本当に知ることができるのなら、たとえそれが命だとしても高すぎる支払いだろうか? そう考える人がいても不思議はない。

まあ少なくとも僕のところには、そんな優しいのか意地悪なのかよく分からないようなやつは来ないでほしいのだが。