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このたび僕の部屋に画期的なマシンが導入された。その名を "扇風機" という。まったくなんという素晴らしいマシンなんだ！　特に気温も高くなっているこの時期、たとえばシャワーからあがったときに、そのまま人間丸ごとの全裸で、まさに扇風機を抱え込むようにして、全身で涼やかな風を楽しむのだった。その男は体の熱を冷ますため、７，８分はそのままの姿勢で、全裸でじっと風を楽しんでいることが予想される。しかしそのうちに、のどが渇いたじゃないか、と思い始める。すると立ち上がり、冷蔵庫のほうへ向かい、ドアを開けて各ポーションに小分けされた無糖の濃縮アイスコーヒーを取り出し、低脂肪乳と氷で割って作る。そしてそれを持ち、マシンの元へ戻り、その前にポジションを取り、ふたたび丸ごとの全裸で、風との対話を試みるのだった。扇風機が夏の夜のささやかな楽しみを提供する。なお以上の風流な涼み方だが、これはあくまでも全裸で実行しなければまったく楽しくない。そこを間違えたくはない。