A Note

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Hamas vows revenge for killing


"復習を誓うハマス - 何千人ものハマス支持者たちが、暗殺された司令官Mahmoud al-Mabhouhの功績をたたえる集会に参加した。ハマスは彼の死はイスラエルの暗殺者たちによるものだとして非難している" このような書き出しで始まるハマスの集会をレポートした記事だが、パレスチナのような環境に置かれればイスラエルへの憎しみを生きる糧としている人たちは大勢いると思う。もし僕がパレスチナに生まれていたら間違いなくそんな人生を送っているだろう。あるいはAKや手榴弾の扱い方も習っているかもしれない。あまり素晴らしいこととは思わないが世界はそうなっている。そして組織の大物が亡くなったり、あるいは今回のケースにおいてはまだイスラエル政府の関与が明確になったわけではないにせよ暗殺されたりした場合には、このような集会に参加して大勢の同胞と共にイスラエルへの怒りを確認し、自分の中に燃やした憎しみの炎へ息を吹き込み、その勢いを維持していくのだ。軍事部門のスポークスマンが聴衆へ告げる。"私たちは必ずや殉教者Mahmoud al-Mabhouhのために復讐を遂げる。そしてその復讐は彼らの犯した罪と同等のものになるだろう" 彼が続ける。"お前たち殺人者は今や待つことしかできない。私たちは適切な手段を選択して復讐の誓いを遂げるだろう。いつ、どこで、どのようにしてなどという情報は与えない。ただ、私たちの怒りの凄まじさを恐れよ"

この暗殺事件において最も注目されるのはイスラエル政府が直接に関与していたか否かだが、いくつかの記事を読んだ限りでは、もし今回の犯行がモサドの暗殺者によるものであるとすればそのやり方があまりにも稚拙だと指摘する人たちがいるようだ。つまりモサドのエージェントならもっと上手くやるというわけだ。事件に関してドバイ当局が自らの捜査により割り出し、Interpolを通じて国際的に指名手配した写真付きの容疑者は11人に上るようだが、たしかに素人考えでもターゲットが1人の暗殺作戦を遂行するためにサッカーの1チームが組めるほどの人数で向かう必要があるのかは疑問だし、もう少し洗練されたやり方があり得たのではないかと思わせる。いずれにせよこれから時間の経過と共に分かってくることがあると思う。

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イスラエル情報機関が関与?ドバイでのハマス幹部暗殺


僕はたまにGoogle Newsの英語版に "Hamas" とか "Gaza" とかいうワードを入れて関連したニュースを漁るので、それで偶然ながら上の殺害事件についても発生の当初から知っていたし、英語圏ではこの事件は何日も前から既に大きな話題となっていた。しかしここへきてどうやら本格的にモサドの関与が疑われだし問題が国際的な広がりを見せ始めたために、こうして朝日も記事化することとなっている。一説では組織への武器調達も担っていたと言われるハマスの幹部がドバイのホテルへ滞在中に殺害されたのだ。彼は昔からイスラエルのヒットリストに名前が載せられている人物であったということもあり、発生の当初から真っ先にこれはモサドの暗殺部隊が手を下したのではないかという声が上がったし、幹部を殺害された当のハマスなどは明確に "これはモサドの仕業であり、イスラエルは報復を恐れよ" と言っていた。モサドというのはもともとかなりめちゃくちゃな組織で、これまで自分たちのターゲットを国外まで出かけていってさんざん殺して回ってきた。ターゲットを間違えて何の関係もない一般人を殺したりもしてきた。そのあたりの事情を可能な限りユダヤ人に好意的なバイアスをかけて描いたのがスピルバーグの "ミュンヘン" という映画で、主人公はアヴナーというモサドの暗殺者となる。娯楽としては重厚でよくできているんじゃないかと僕は最初思ったのだが、これはパレスチナ側に立って見てみると全然駄目なイモな映画だよ、ということを四方田犬彦が丁寧に指摘して書いた文章を読んでああなるほどこれはイモかなと認識を改めることになった。話がそれたがこの一件がこれからどのような展開をたどるのか注目したい。