A Note

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長期の不摂生を経て怠惰なクソデブに成り下がった自分を許すことはできなかった。精神的な緊張が失われ、精神と直結する肉体から緊張が失われた。考えなしに食べたり飲んだりするようになり、皮膚の下へぶよぶよした層を蓄えはじめた。ふとしたときに気がついて驚いた。"誰かこのデブを何とかしてくれ"

しかし自分自身でなんとかする必要があることは明らかだった。ただちに毎日一定の運動量で体を動かすことを開始すべきだった。朝5時に起きて家の周りに設定した6.2kmのコースを走る。帰ってきてそのままウェイトトレーニングをする。ジョギングに38分(平均速度9.5km)、ウェイトトレーニングに自分のやり方で60分かかる。それを日曜以外の週6日行う。日曜は休養日とする。食事は低脂肪高タンパクのものにする。プロテインは飲む。それを続けて42日間で体脂肪率を1.7パーセント下げることができた。もちろん筋肉の量は大きく増加した。このペースでさぼらずに続けるとして、年が変わる前に何とか体脂肪率15パーセント台に持っていくことができるかもしれない。そうなれば来年の夏に8,9パーセント台にのせることはさほど難しいことではあるまい。しかし今はまだ本当にデブだ。腰回りの肉が掴めることに悲しくなる。この肉を抹消するための方法は一つ。僕はこの憎々しい肉々を腰の周りに感じながらニクニク走るしかない。

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僕はそれを売買して利益を上げる目的でなくただ個人で楽しむためにドラッグを使用することさえ処罰するのはいかがなものかと感じていて、だからその処罰規定の依拠する法学的な根拠にも興味を持っている。面倒くさがらずに法律を勉強しなければならない。まさに自らの利害が関係してくるところの法律についてまったく無知なままに生きるということは、百鬼夜行の原野を丸腰で行くこととさほど変わりがないはずだ。人間は勉強しなければ無知なままだ。アナーキストなら誰でも自らを縛っていると感じられる法律の寄って立つ根拠を疑ってみたいし、疑うだろう。納得することのできない法律を守る気にはなれないものだ。闇米を食わずに餓死した判事がいるとかいないとか、その人には悪いがそんなことは僕には関係ない。僕は判事ではないしクリスチャンでもないから闇米だろうが人肉だろうが何でも食べることができる。ひとまず安心だ…。

"押尾学容疑者" と朝から報道されていたようだった。"六本木ヒルズの住居棟の一室で30代の女性の全裸の遺体が発見され…" その部屋がまさにJ・G・バラード描くところの空虚な退廃の現場となっていたのだろうか。その状況から誰でもまず、彼女が何らかのドラッグを過剰摂取して事故死した可能性について考えるだろう。ソダーバーグの "Traffic" だったと思うのだが、作中でおそらく事実からモチーフを取ったのだろうと想像させるような現実味のあるワンシーンが描かれていた。アメリカの割と上流の家庭の子供ら ---- 日本で言えば高校3年あたりの年齢か ---- が仲間内の誰かの家に集まってドラッグでパーティーをしているのだが、そのうちに一人の様子がおかしくなり、どう見ても死にそうになっている。まずみんなでパニックになるのだが、恐慌をきたして騒いでいても仕方がない。そのうちに何となく形成された合意のもとにその死にそうな一人を車に乗せて走り出す。どこへ行くのかというと着いた先は病院だった。しかしその子らは自らの保身のためには、今までいけないパーティーをしていたのですが一人がオーバードーズで死にそうなんですがどうにかしてください、などときちんと事情を説明して治療を受けさせることなどできるはずもない。それではどうしたのかというと、その病院の玄関前に死にそうな一人をまさに "ドロップ" し、後は知らないということにして他のみんなはさっさと車を出し、大急ぎで逃げ去っていくのだった。

この間パブロ・エスコバルについて書かれた本も読んだが面白かった。彼の生まれてから死ぬまでが一通り書かれたものだ。南米の国々の麻薬戦争は凄まじい。突き止めたドラッグディーラーの隠れ家を軍隊が展開して包囲し、市街地で真っ昼間から銃撃戦をやっている。麻薬についてはその法的な位置づけ、具体的な効用(?)、地下経済におけるその市場規模、様々な側面から考えることがある。
追記:どのような状況においてその結果が導かれたのか未だに明らかではないが、今回ヒルズの一室で亡くなった女性の冥福を祈る。

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