A Note

^_^

          • -


一度はこの上なく自由な飛翔を、まさに上昇に継ぐ上昇を楽しんだ彼の帰結した最低部は、ただ"近づきすぎてはならない" とだけ告げているのだろうか。そうではないと思う。それほど単純な話ではない。どこまで近くあるべきで、どこからは立ち入ってはならないのか、"写真が十分に良くないのはあなたが十分に近くないから" なのか、この世界で自らを確かに把握し、位置づけていこうとするときにはとても大切な、私は近いのか、それとも遠いのか、距離の問題について、彼は優れて刺激的な問いを提示しているように思える。近寄らずして獲得することはできないが、しかし近寄れば身の破滅を招く危険はある。どうしてもそれが欲しいときには、決意のもとに自分を賭けなくてはならない。恐怖心を取り去るためには陶酔という手段がある。人たちは踊ったりアルコールを摂ったりする。イカロスに関しては、彼は気がついたときにはすでに踊っていた。それはあまりに楽しかったからだ。何もかも忘れてしまうほど楽しかったのに違いない。


          • -

RBK Scarlett
http://www.rbk.com/jp/scarlett/


ReebokScarlett Johanssonに女性向けシューズ(ウェア)のラインを任せているんだってさ。企画を持ちかけられたときの驚きからデザインの過程まで、彼女がはにかみながら語っている一分程度のFlashのムービーが三本。愛嬌たっぷりで、屈託がなくて、可愛げのある人だなあと感心した。やはりそこはデレデレしながら見ていた。でも、女性が彼女のことを見てどう思うのかは分からないのだと考えた。人は一般的に言って同性に関しては、あまり目を曇らされずに、残酷な視線で見ることができる。そんなだらしなさだから悪い女に騙されているのでは、と冷静に指摘されてしまう可能性もある。


          • -


前にエイズの末期で既に全身を醜くされていた女性が、絶望のきわみにありながら、Web上で自分の姿を晒していた。彼女はおそらく、自分のように悲惨な事態に陥る人が少しでも少なくなることを願って、最後に自らを犠牲にすることを選んだのだ。少し考えてみれば、Web上で不特定多数に、既に醜くなって、やせ細り、死にかけの体を晒すために、彼女にどれだけ大きな勇気が必要だったかが分かるはずだ。しかしあのとき、コメント欄で彼女を罵倒し、唾を吐きかけ、石を投げつける、人でなしの連中がいた。

あのとき生まれてからかつて経験したことがないほど激しい怒りを覚えた。あの人たちは、精神的にも肉体的にも死につつある彼女に向かって、"お前は死んで当然なんだ" と言っていたが、僕は彼女に代わって言おう。死んで当然なのはあなたたちだ。悪いが死んでくれ。あのとき彼女に"死ね" と言った人、あなたが死ね。優しくない人間には生きる資格がない。


思い出すだけで体は怒りと絶望と悲しみとで満ちる。社会はクソだと言うことができる。そして私たちはクソの海を泳ぎ回る。ところがたとえクソの海でも、泳ぎ続けなければ沈んでしまう、死んでしまう。だから泳ぎ続ける、クソまみれになりながらも、かろうじて息を継ぎ…  手を回し…  脚をバタバタ…   クソ… クソ… クソ…   バタバタ…   バタバタ!   …汚いだろうか? そう、少し汚いだろうが、しかし他に素晴らしい形容も見つからない。

認識が悲観的に過ぎるだろうか? そうは思わない。まずは絶望しなければならない。一度打ちのめされて、体さえ動かせなくなるくらいひどく沈み込んだ位置まで落下してからしか、何も始められはしないでしょうよ。人生においては絶望してからが勝負であり、そして人生においては、決して絶望してはならない。





.