A Note

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コロナウイルスの今後

武漢コロナウイルス。事態の推移を見れば、この武漢コロナウイルスはインフルエンザよりはるかに強力な感染力を持つ。感染してから体内でウイルスが増殖し、咳や発熱などの症状を現すまで1日から14日間の、稀なケースでは24日間までの潜伏期間を持つ。そしてその無症状である潜伏期間にも、感染者は普通に生活を続けるし、生活圏内で物理的に近づく他人を感染させる。そのため封じ込めは極めて困難だ。

ウイルスの培養先となったクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの惨事に加え、さらに全国各地において街中の感染例を報じるニュースが目に付き始めたここ数日。どこで誰から感染したのか分からない、患者の行動歴を遡っても感染元を特定できないケースが出始めている。これはつまり既に街中での流行が始まったことを意味する。そのため今後間違いなく感染例が増えてくる。

日本政府及び厚生労働省の無策も大いに助けとなり、水際でのウイルス侵入阻止、最初期段階における封じ込めは既に失敗が確定した。だから事態はもう次の段階へ移っている。日本国内の患者数はこれから必ず増大するため、それに圧倒されることなく対応できる医療体制とリソースの準備を全国の病院で行う。医療従事者への二次感染を防ぎながら患者を適切に隔離し治療する体制を各地で満遍なく構築する。

事態の収束がいつになるか見通せないが、Webで科学者また専門家の意見=educated guessを漁る限りでは少なくとも今後数ヶ月間は収まるはずがないと考える。今から数ヶ月収まらないなら大変なことになるのは、もちろん7月24日に東京オリンピックが開幕するから。予想としては、今後日本社会で感染者数が増えウイルスが勢力を広げていく中、最終的には東京オリンピックの開催中止までが真剣に議論される事態へ至ると考える。

個々の競技に自らの全てを賭けているアスリートたちにとっては、4年に1度しか来ない世界最高の競技会が中止になることは人生を大きく左右する問題。東京中にウイルスが蔓延していようがもしどうしても開催したい、しなければならないというのが意思決定者たちの総意なら、既に報道には出ていたが選手のみを集めて、無観客での空っぽのスタジアムでの開催は検討することができるだろう。それをテレビの放送で見て楽しいかどうか、競技者たちがモチベーションを維持できるかどうかといえば、楽しくもないしやる気など出ないだろう。やる気が出ないのだから記録も伸びないだろう。そんなオリンピックを開催することにそもそも意味があるのかという話になる。

これから少なくとも数ヶ月、長ければそれよりもっと長い間に渡って、昨日はここで何人、今日はここで何人、朝のニュースが日本各地の感染者とその人数を報じる、それを目にしながら一日を始めるというのが日本人の日常になるでしょう。7月24日に開幕を迎える東京オリンピックまでに事態が収束することは非常に考えにくく、最悪の場合にはその開催は不可能となり、中止に追い込まれる可能性まであるでしょう。